派遣社員の有給休暇は誰が管理する?派遣先と派遣元の役割を正しく理解しよう

派遣社員の有給休暇は誰が管理する?派遣先と派遣元の役割を正しく理解しよう

派遣社員として働いていると、こんな疑問を持つ方が少なくありません。

  • 「有給休暇は誰に申請するの?」
  • 「派遣先の上司に言えばいいの?」
  • 「派遣だから有給はもらえない?」

また、派遣先企業の担当者側でも、「有給休暇の管理は自社でやるべきなのか」 と迷うケースがよく見られます。

派遣という働き方は、雇用主と実際の勤務先が異なるため、有給休暇の管理主体が分かりにくいのが実情です。

この記事では、派遣社員の有給休暇は誰が管理するのかを軸に、制度の仕組みや実務上の注意点まで詳しく解説します。


結論:派遣社員の有給休暇は「派遣元」が管理します

派遣社員の有給休暇を管理するのは、**派遣先企業ではなく派遣元(派遣会社)**です。

派遣社員は派遣先で働いていますが、法律上の雇用主は派遣元である派遣会社になります。そのため、以下のような管理業務はすべて派遣元の責任で行われます。

  • ✅ 有給休暇の付与日数の管理
  • ✅ 取得状況の把握
  • ✅ 残日数の計算

派遣先は業務指示や勤怠の確認を行う立場にありますが、労務管理の主体ではありません。有給休暇に関する最終的な判断や管理義務は、あくまで派遣元にあるという点が重要です。


なぜ派遣元が有給休暇を管理するのか

労働基準法では、有給休暇は「使用者」が労働者に付与し、管理するものと定められています。

ここでいう使用者とは、労働契約を締結している相手、つまり雇用主を指します。

派遣社員の場合、労働契約を結んでいるのは派遣会社であり、派遣先企業ではありません。

そのため、以下のような事項は派遣元が法律に基づいて判断・管理する必要があります。

  • 派遣社員が有給休暇を取得する権利を有するかどうか
  • 何日付与されるか
  • 時効がいつか

派遣先が独自に有給休暇を付与したり、取得を拒否したりすることはできません。


⚠️ よくある誤解:派遣先が有給休暇を決めている?

実務では、次のような誤解が非常に多く見られます。

誤解の例

  • 「派遣先の了承がないと有給休暇は取れない」
  • 「派遣先の就業規則が優先される」
  • 「契約が短期だから有給はない」
  • 「派遣だから有給は出ない」

正しい理解

有給休暇の取得自体は派遣社員の権利であり、派遣元が管理します。

ただし、派遣先には業務調整の必要があるため、実際の運用としては次のような流れが一般的です。

  1. 派遣社員が派遣先と日程調整を行う
  2. その後に派遣元へ申請する

これはあくまで業務上の調整であって、権利の管理主体が派遣先に移るわけではありません。

また、一定の要件を満たせば、派遣社員であっても正社員と同様に有給休暇は発生します。


実務で注意すべきポイント

派遣社員の有給休暇をめぐっては、派遣元・派遣先・派遣社員の三者間で認識のズレが起こりやすい点に注意が必要です。

よくあるトラブル例

立場トラブル内容
派遣先人手不足を理由に有給取得を渋る
派遣元管理はしているが派遣社員に十分な説明をしていない
派遣社員誰に申請すればいいのか分からない

派遣元がすべきこと

  • 📌 有給休暇の付与日や残日数を明確にする
  • 📌 派遣社員が安心して取得できる体制を整える

派遣先がすべきこと

  • 📌 有給休暇取得が法律上の権利であることを理解する
  • 📌 業務調整に協力する姿勢を持つ

📅 年5日の取得義務について

2019年以降は年5日の有給休暇取得義務も導入されており、この管理義務も派遣元にあります。

派遣という雇用形態だからといって、例外になるわけではありません。


社会保険労務士ができるサポート

派遣社員の有給休暇管理は、以下の法律やガイドラインが関係するため、判断が難しい分野です。

  • 労働基準法
  • 労働者派遣法
  • 関連ガイドライン

社労士のサポート内容

派遣元企業向け

  • 有給休暇管理の仕組みづくり
  • 帳簿整備
  • 派遣先との役割分担の整理

派遣社員向け

  • 「誰に申請すべきか」の助言
  • 「取得を拒まれた場合どう対応すべきか」の相談対応

トラブルを未然に防ぐためにも、専門家の関与は有効といえるでしょう。


まとめ:派遣社員の有給休暇は派遣元が責任を持って管理する

📝 この記事のポイント

✔️ 派遣社員の有給休暇は、派遣先ではなく派遣元が管理する
✔️ 雇用主が誰なのかを正しく理解することが重要
✔️ 派遣という働き方だからこそ、制度の基本を押さえておく

もし有給休暇の取得や管理で違和感を覚えた場合は、一人で悩まず、派遣元や専門家に早めに相談することをおすすめします。

正しい知識が、安心して働くための第一歩になります。